徒手整復施術は医師医療を補完する社会的医業
“正しい”柔道整復師の地位強化と伸長
地域医療を支える治療の専門家として
高い技術と倫理観ある施術者だけが活躍できる
そんな世の中を目指して
一般財団法人保険療養費審査等受託機構
代表理事 佐野 裕司
MESSAGE
私たちの想い
医療福祉の未来と徒手整復術の可能性
一般財団法人保険療養費審査等受託機構
代表理事 佐野 裕司
私は大学で45年間研究・教育活動に携わってきました。平成29年3月に退職し現在、自らの設定した研究活動を楽しくマイペースに行っております。私の研究テーマは「運動が人の健康にどのように関わるか」というものであります。そのようなことから私は、生物の生命力の一つの現れである自然(生命)治癒力に沿った徒手整復術を中心的施術とする柔道整復治療に強い関心を持ち、役員としてこの業界に関連する学術団体の設立や学術活動、あるいは学術団体の委員会活動等に参加するなどして深く関係を持つようになりました。
私達は徒手整復術の育成が健康・長寿の現在・未来の社会を持続・発達に不可欠であると確信し、施術力を持つ柔道整復師らの生活環境をより良いものにすることが必要であると考えました。それを達成する為には保険療養費を運用されている保険者の御理解と御協力を得ることが大切であります。
私達は一人でも多くの施術力のある柔道整復師らの育成を通して国家使命である医療福祉政策を担う保険者と共通の認識をもつ柔道整復師によって、あるべき医療福祉政策を実現するために本財団を設立致しました。
当財団について
【設立趣旨】
今日、医療社会は大きく変貌し、それがますます加速しております。医療技術等の飛躍的な発展が医療技術・サービスの高度・高額化をもたらしました。一方で、日常的な疾病の慢性化・肉体労働から精神労働への変化によるストレスなど原因を特定することが困難な健康障害(不調)を訴える人が増加しております。長寿社会に入って、人々の健康への関心もますます高まっております。
柔道整復師業務は人の健康を支える専門職であります。その活動は社会的に見ますと医療そのものでありますが、柔道整復術(徒手整復施術)は医師医療と比べると経験的医術の占める割合が多いことから、健康産業のもつ商業主義の波を受けやすく、流されやすいところがあります。そのことで徒手整復術の専門性がますます希薄となり、低俗な健康産業に同化されやすい弱さがあります。柔道整復術(徒手整復施術)は医師医療を補完する社会的医業であり、柔道整復師の地位を強化・伸長することが医師医療とともに健康の保持・増進に関わる医療に類似する医的な専門のサービスを提供する事になります。私達は、健康な長寿社会に伴う医療コストの高額・増額傾向を少しでもおさえることにつながると考えます。
柔道整復師は専門家の品格を持ち、高い倫理観に裏打ちされた良質の柔道整復術を習得することが大切であります。しかし、柔道整復施術料の保険療養費化は施術経験の長短・施術力の高低などにかかわらず一律の取扱いのため、市場による競争原理が働きにくく、施術力等の向上を期待することができません。私達は保険療養費システムのこのような限界を少しでも是正するために、保険療養費支給の運用にあたって臨床的観点から施術内容等まで踏み込んだ厳格な照会を行うことが大切であると考えます。当財団の受託業務が柔道整復術の臨床規律を厳格にし、個々の柔道整復師の施術力と倫理観を高めることの一助になればと考えています。そのことによって、柔道整復業務自体が医師の行う保険医療を補完し、長寿・健康社会の充実に貢献する可能性を広げることになります。人々の健康に恵まれた安心・安全の長寿生活を保障する為、低経済成長が常態化している現代社会の中で保険医療システムを保持するには、低コストの医療資源が求められます。この点からも柔道整復療養制度は地域医療を支えるシステムとして期待されているものであります。
当財団は以上の考えを柔道整復業界に広げるためにできるだけ多くの保険者各位より柔道整復師施術療養費の照会・審査・支払い業務を受託させていただけるように努力を重ねる所存であります。
【活動目的】
私達は、柔道整復師療養及びあん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師療養における施術力の向上及びその社会的普及を図るとともに、保険医療機関及び医師等と連携を取り、あまねく健康社会の充実及び発展に寄与し、国民の健康保持とその増進を目的と定めております。
【活動理念】
~柔道整復施術の充実と保険療養費の適正化は共通の理解によって結ばれるものである~
私達は柔道整復等保険療養費の充実と適正化は、被保険者・保険者・柔道整復師等の施術者との間に保険療養費制度の社会的意義に関する相互理解を深める対話の場を設け三者の相互理解・共通認識の形成することによって達成できるものと考えております。私達はできるだけ多くの保険者から柔道整復保険療養費に関わる照会・審査資料の整理及び支払業務を受託し、そこに出てきた真の問題点を共通のテーマとし、それを生産的に解決することが大切であります。
その前提として私達は受託業務を通して施術の臨床規律を厳格に捉え、個々の柔道整復師に施術力と倫理観に強い関心を持って頂く事を働きがけることに努めております。そのことによって保険者と共通の価値感が形成され、柔道整復業務自体が保険医療を補完し、長寿・健康社会に貢献できる社会的医療機関として認知されるものと考えております。
審査受託業務について
- 当財団は、『施術力のある柔道整復師が生き残れるような業界としていきたい。』と考えております。
- 施術力という言葉には、『当然に高い治療技術を保持していること。』『高い医的倫理観を持っていること。』『高い書類作成能力があること。』という3つの意味が含まれております。
- このような柔道整復師の先生方が業界に残れるような業界づくりのために柔道整復師療養費適正化システムを構築してきております。
- (1) 保険者は次のような疑問を持ちながら療養費の審査・支払業務を行っていないでしょうか。
- ① 患者照会をしても予想通りの回答しか返ってこない。
- ② 何故こんなに多くの通院をしなければならないのだろうか?
- ③ 何故こんなに定期的に怪我をするのだろうか?
- ④ 何故こんなに長い治療期間なのだろうか?どんなケガをしているのだろうか?
- ⑤ 何故月に1回、2回しか治療に行かないのだろうか?本当にケガをしているのだろうか?
- ⑥ 何故毎月家族で同じ日に通院するのだろうか?
- ⑦ 何故こんなに多くの部位を怪我するのだろうか? etc
- (2) これらの疑問を解決するには、直接柔道整復師に臨床視点から照会をかけ、その回答を臨床視点から分析・判断しなければなりません。
- そのような柔道整復師へ対する施術内容の照会は、一般的なアウトソーシングを主たる業務としている外注審査会社では殆ど実施されておりません。専ら患者照会しか行われていないと思われます。
- 上記の疑問を解決するには施術を行った施術者に直接、施術内容を照会しなければどのような施術が行われたかはわかりません。
- 臨床視点に立った分析・判断のできる分析プログラム及び熟練したスタッフを持つ機関でなければ柔道整復師へ施術内容の照会をかけてその疑問を解決させることはできないと考えております。
- (1) 審査にあたっての基本的考え方
- ① 行われた治療が、『療養費は療養の給付(医療保険)で果たすことのできない役割を補完するものである』 この範囲にあるのかどうか。
- ② 行われた治療が、国民健康保険法第54条及び健康保険法第87条の『手当』に相当するものであるのかどうか。
- ③ 行われた治療が、治癒を目的として行われているのかどうか。
- 当財団は、これらの基本的な考え方に立って柔整療養費の審査を受託します。
- (2) 柔整療養費適正化3つの目的
- ① 治癒を目的とした治療行為がなされているかどうかを見極めること。
- ② 支払われる療養費が、反社会的勢力に利用されないようにすること。
- ③ 専ら利潤行為を目的とする療養費の請求等を排除していくこと。(療養費の公共性を考えて組織的に高い営利性が認められるような療養費請求を排除していくこと)
- (3) 適正化システム(審査業務)の種類
- ① 完全包括審査業務
- 申請書のデータエントリ・イメージ化を行い、これをコンピュータによる自動審査にかけ、疑惑のある申請書を抽出します。
- 抽出された疑惑のある申請書に柔道整復師照会をかけ、その回答書内容を分析・評価し、治癒を目的とした施術行為がなされているかどうかの意見書を保険者に提出し、支払いの適否等のアドバイスを行います。
- 柔道整復師(団体)への支払業務を行います。
- 総合的な審査ができるため審査効果が高いサービスとなっています。
- 医科との突合業務のオプションがあります。
- ② 包括審査業務
- ①の完全包括審査業務から、柔道整復師(団体)への支払い業務を除いた業務です
- ③ 特定審査業務
- 保険者により抽出された疑惑のある申請書に柔道整復師照会をかけ、その回答書内容を分析・評価し、治癒を目的とした施術行為がなされているかどうかの意見書を保険者に提出します。
- ④ 第三者加害行為求償業務
- 保第三者加害行為を健康保険で扱う場合の、柔整に限らず主に医科レセプトの求償権行使業務を行います。
当財団がなぜ審査受託業務を行うのか
柔整療養費適正化の際なぜ患者照会ではなく柔道整復師照会なのか
柔整療養費適正化システムの概要
療養費の支給基準について
【亜急性について】
今まで柔整療養費の支給対象範囲を不明確にし、いわゆるグレーゾーンを作り出していた亜急性という言葉は『療養費の支給基準』“柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準の実施上の留意事項について”(平成30年.5.24 保医発0524 1) から完全に消滅しました。以前は亜急性外傷という表現がありました。柔整団体はその意味を『外傷を起こす原因として急激な外力より起こる急性外傷に準ずるもので、軽度な外力でも反復や持続した外力により、急性外傷と同様に軟部組織などの損傷が見られる外傷を指すものである』と説明していました。このことによりあらゆるものが外傷扱いとなり保険診療ができました。いわゆるグレーゾーンです。この亜急性に係る意味については社会保障審議会医療保険部会「柔道整復療養費検討専門委員会」で多くの時間を費やし議論された結果、柔整団体の主張は受け入れられませんでした。そして柔道整復における療養費の支給対象範囲は、『療養費の支給対象となる負傷は、外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。また、外傷性とは、関節の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を指すものであり、いずれの損傷も、身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていないものであること。』と明快になったことは記憶に新しいところです。
ORGANIZATION
財団概要
沿革
- 12月18日
- 第1回財団設立検討委員会を実施(財団設立呼び掛け人会議)
- 1月15日
- 第2回財団設立検討委員会を実施(患者と柔道整復師の会有識者会議・患者相談ダイヤル運営委員会合同会議)
- 2月19日
- 第3回財団設立検討委員会を実施(倫理研修組織カリキュラム等作成委員会)
- 4月2日
- 財団設立時評議員・理事・監事選考委員会を実施
- 5月14日
- 第1回財団設立時評議員・理事・監事役員会を実施
- 6月18日
- 第2回財団設立時評議員・理事・監事役員会を実施
- 6月27日
- 財団設立日
- 7月14日
- 財団設立発会式を実施
- 7月27日
- 役員幹事会を実施
- 7月31日
- 理事長・副理事長会を実施
- 9月24日
- 平成29年度 第1回理事会を実施
- 12月24日
- 平成29年度 第2回理事会を実施
- 5月27日
- 平成29年度 第3回理事会を実施
- 5月27日
- 平成29年度 第1回評議員会を実施
- 5月12日
- 平成30年度 【臨時】理事会・評議員会を実施
- 6月2日
- 令和元年度 第1回・第2回理事会、第1回評議員会を実施
- 9月8日
- 令和元年度 第3回理事会を実施
- 12月15日
- 令和元年度 第4回理事会を実施
- 11月4日
- 令和2年度 第1回理事会を実施
- 11月19日
- 令和2年度 第1回評議員会を実施
- 6月15日
- 令和2年度 第2回理事会を実施
- 6月22日
- 令和2年度 第2回評議員会を実施
- 6月27日
- 令和2年度 第3回理事会を実施
- 10月15日
- 令和3年度 第1回理事会を実施
- 10月22日
- 令和3年度 第1回評議員会を実施
- 4月18日
- 令和3年度 第2回理事会を実施
- 6月9日
- 令和3年度 第3回理事会を実施
- 6月29日
- 令和3年度 第2回評議員会、令和4年度第1回理事会を実施
- 4月28日
- 令和4年度 第2回理事会を実施
- 6月19日
- 令和4年度 第3回理事会を実施
- 6月29日
- 令和4年度 第1回定時評議員会、令和5年度 第1回理事会を実施
- 1月31日
- 令和5年度 第1回理事会を実施
- 2月19日
- 令和5年度 第1回臨時評議員会を実施
- 6月26日
- 令和5年度 第3回理事会、令和5年度 第1回定時評議員会を実施
平成28年
平成29年
平成30年
令和元年
令和2年
令和3年
令和4年
令和5年
令和6年
組織図
役員構成
- ・医学博士
- ・元保険者
- ・司法書士
- ・柔道整復師(2名)
- ・公認会計士
- ・医師
- ・元柔道整復試験財団OB
- ・弁護士
- ・柔道整復師(2名)
- ・柔道整復師
●理事(5名)
●評議員(6名)
●監事(1名)
組織概要
- 名称
- 一般財団法人保険療養費審査等受託機構
- 代表理事
- 佐野裕司
- 設立日
- 2017年6月27日
ACCESS
アクセス
〒164-0013 東京都中野区弥生町1-13-7 柔道整復師センター
TEL:03-5371-2061
FAX:03-5334-6518
コールセンター:03-5371-2066